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禁断背徳の鎖外伝ー多忙者達のXmas
第3章 クリスマスイブの幸せ-仕事と寂しさと喜びと
『美紀はすぐに無理をするからね』
常々言われている紀永の言葉‥
だけど無理をしないと、私は紀永に追い付けない、だから無理をする。
何事も中途半端の今の私、システム課でも取締役役員としても、早乙女としても全て中途半端‥
はっきりと、一人前なんて言えないのが私の現状。
だからクリスマスイブを無視してでも、私は頑張らなくちゃ‥
少しでも早く、この早乙女で何かを掴む為、私自身の心の弱さを克服する為‥
大丈夫、体力だけには自身があるもの、前を向いて進めるよ。
手を動かしながらも、漠然と考えながら仕事を続けていたら、漸く朔夜叔父様が戻って来た‥
その手に何か可愛らしい物を持って。
「出来た出来た」
朔夜叔父様が持っている物って、形は少し違うけどこれ‥‥
「朔夜叔父様、それって‥‥ツリー‥‥」
同じ会長室フロアーにある、朔夜叔父様の作業部屋であり合わせで作ったと言ってるけど、こんな物を簡単に作ってしまう朔夜叔父様って凄い。
「これをこうして‥
後は電気を消せば綺麗か?」
叔父様は窓にツリーを置いて、ゴソゴソと微調整‥
そして戸口にある照明を落とせば浮かび上がる、光をキラキラ反射させたツリーが。
「・・・綺麗・・・」
何色も光が‥‥細く透明な線を通って色が変わり、窓に反射して本物の大きなツリーに見えるように仕掛けられていて。
この短時間でこんな事を考え作れるんだ‥
流石ハードエンジニアの朔夜叔父様らしいツリー。