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君を孕ませたい
第7章 言えない想い
「実咲、これ」

そう言われて差し伸べられた翼さんの手の上には真新しいスマートフォンが乗っかっていた。



「え・・?」

意図がわからず首を傾げる私に翼さんはこう続ける。



「明日からしばらく忙しくなると思うから。何かあったらこれで連絡して。契約は俺名義だけど好きに使って良いから」



「え・・あの、私携帯持ってるので大丈夫です」

祖父と二人暮らしだった頃、留守番が多かった私は小学生の頃から携帯電話を持たされていた。もちろんその事は翼さんには話してある。



「それは解約しても良いし、持っていたかったらそのままでも良い。でもスマートフォンだと色々と便利な機能もあるから俺の為だと思ってこっちを使って欲しい」



(さっき少し外出していたのはこの為だったんだ・・)








翼さんの休暇最終日の今日、私がお昼過ぎに目を覚ますと翼さんの姿はなくて、汗や愛液で汚れた体を洗い終えた頃に帰って来た。





「ありがとうございます・・」

帰宅するなり私の姿を確認し瞳に安堵の色を滲ませながら渡されたスマートフォンをおずおずと受取る。



「使い方わかる?」



「多分・・お祖父ちゃんがこの前の機種を使っていて私もよく貸して貰っていたから」



「そっか。学校が始まるまでまだ数日あるし、色々弄ってみたら良いよ」

頭をぽんと撫でられぎゅっと抱き寄せられる。



ほんの少しの甘さが香る半袖のシャツに顔を埋めて自分だけが裸である事にはっと気付き何とも言えない恥ずかしさで顔が熱くなる。



「あのっ、私も服着て良いですか?」

まだ濡れたままの髪の毛から背中に滴る水滴を指先でつつうとなぞりながら一呼吸置いた後に「良いよ」と言って体が離れた。









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