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君を孕ませたい
第9章 確信に変わる想い
『実咲へ

今日は早く帰れそうです
だから一緒に夕食を食べよう』



朝起きてリビングに行くと
翼さんが私の為に切っておいてくれたフルーツと一緒にメモが挟んであった。



私は嬉しくて、昨日までの寂しさや不安も吹っ飛んで
まるで一気に世界が輝き出したかのように全てが鮮やかに見えた。



(買物行って・・何作ろうかなぁ。翼さんは何が好きなんだろう?)



そういえば私は翼さんの好きな食べ物すら知らない。
誕生日や、血液型も。



(今日の夜聞いてみよっと)

分からないなら聞けば良いんだ。
まだ知らないことの方が多いんだもん。
だから不安になるんだわ。



胸を弾ませながら夕食の献立を考える。



翼さんが与えてくれたスマートフォンで
レシピを見ながらビーフシチューを作って帰りを待つ。



(まだ18時かぁ。お風呂も入っておこうかな)

もしかしたら一緒にお風呂も入るかもしれないけど・・
でもその前に抱きしめてもらえるかもしれないし
その時に甘く香る自分でいたい。



お気に入りのバニラのボディソープで念入りに身体中を洗い
翼さんが買ってくれた可愛い部屋着を身に纏う。
この部屋着はデコルテが大きく開いているし
ショートパンツも短くて着るのは恥ずかしいけど・・
ほんの淡い期待を抱いて勇気を出して初めて着てみた。



(気付いてくれるかな)



ドキドキしながら待っていたけれど20時を回っても翼さんは帰って来ない。

21時
22時
時間の経過と共に寂しさと漠然とした不安が募っていく。



(きっと仕事が忙しくなっちゃったんだよね・・)

沈んだ気持ちを抱きながらもう部屋に戻ろうとリビングの電気を消して階段を上ろうとした瞬間、玄関の鍵を開ける音がして翼さんが帰ってきた。




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