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君を孕ませたい
第9章 確信に変わる想い
「実咲っ」

翼さんは私を見るなり駆け寄って抱きしめてくれた。



「早く帰るって言ったのに遅くなってごめん。ごめんね、実咲」

そう言ってきつくぎゅうっと抱きしめられて、嬉しくて、寂しかった気持ちが溢れて涙がこぼれてしまった。



キスをしようと私の顔を両手で挟んだ翼さんが私の涙に気付いて、涙を拭くように頬を優しく舐めるように唇を滑らせる。



「実咲、寂しかった?」

俯く私の頭に唇を寄せ口付けをくれた。



「べ・・別に寂しくなんてないです」

想いとは裏腹に素っ気ない言葉が口をついて出てしまった。



本当は寂しかったのに
こうして抱きしめられて嬉しいのに
私はどうして素直に言えなかったんだろう。



「そっか」

頭をぽんと撫でられて、まるで私の気持ちなんてお見通しかのように優しく微笑む。



こんなに優しい笑みを向けられたのは何日振りだろう。
胸がどきりと高鳴って照れ臭さで視線を外してしまった。



そんな私を宥めるかのように手を引かれリビングへと連れられる。




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