この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
幸せになれる恋
第12章 聖のお料理教室
「さくら。お前すげぇな。
お前のこと甘く見てた。
想像より料理嫌いなんだな。」
「はい。大っ嫌いです。
だってこうやって皮剥いて
切って炒めて煮て
おまけに片付けまであるんですよ?」
「そりゃそうだろな。」
「だったらコンビニで出来てるもの買って
食べてゴミ捨てるだけの方が楽でしょ?
それに時間かからないし!」
「そっか。」
「でも、お前これはねぇよ...
人参細ーくなってんじゃねぇかよ...」
「だから人参ってどこまで剥くものなんですか?
だってじゃがいもは白い所食べるから
茶色いところが皮でしょ?
玉ねぎも中身は白いから!
でも、人参は白くならないんです!!」
「.........」
やばい。
どうしよう...
「桜。人参中身も白だと思ってる?」
「はい!」
元気よく答えやがった。
「桜シチュー食ったことあるよな?
人参入ってるよな?
人参何色だった?」
「オレンジ色でした。」
「うん。カレーの人参もオレンジ色だろ?」
「はい。」
「きんぴらの人参も、サラダに入ってる人参も
ハンバーグの付け合せの人参もオレンジ色なの。
だからじゃがいもや玉ねぎみたいに
中身は白くない。だから...
今お前は人参の中身を剥いてた訳。」
「......嘘だ。」
「嘘じゃねぇよ。
ごめんお前がここまでできねぇって知らなかった」