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第31章 聖を襲う病魔

「どうしたんですか？？
聖さんが持ってるのジュースじゃなくコーヒーだし
明日はお仕事ですよ？

クレープ屋さんの打ち合わせですからね。


昨日あたりから変です…
何かありましたか？？」



聖は桜にはハッキリ言った方がいいのかもと
思ったけれど不安似させたくなかったから言えず
何にもないよ、ホントにぼぉーっとしてただけ
と桜に言って何も無かったように振舞った。


運転中も集中していないと
考えてしまいそうだった聖は
前だけを見て運転に集中した。


家に戻り桜は母と晩御飯の準備をしている。
俺は部屋にこもりネットで調べた。



癌について．．．

そうと決まった訳でもないのに…


初期ならば完治することがあるが
末期に近いと治療より緩和ケアのことの方が多い

嫌なことばかり書かれていて
頭の中が癌のことでいっぱいだった。


二十歳になってかけていた生命保険…
契約番号を入れて癌だった場合
それから最悪の事態になった場合の事を考え
桜にどれだけ残してやれるか
聖はずっと考えていた。


「俺が死ねばマンションのローンは払わずに済む。
桜が賃貸として貸せば家賃収入になるし
売ることだってできるよな。」

小さな声で独り言を言っていた聖…

それを聞いてしまったのは．．．