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幸せになれる恋
第31章 聖を襲う病魔
「どうしたんですか?」
「いや。何もない。
桜どこ行きたい?したいこととかないのか?」
腫瘍マーカーをしてどこかに癌があると言われたら
多分自分の情けなさに落ち込むだろう。
検査してみて手遅れなんて言われたら
この先桜が独り身になって
のちのち誰かと再婚するなんて
考えたくないことを考えていた。
「あの、ペットショップに行きたいんです。
ラッキーのご飯と新しい玩具を買ってあげたくて。」
聖は桜の要望通りペットショップに向かった。
信号で停まった時また聖はぼぉーっとしている。
信号が青になったのにすすまないから
桜が青ですよ?と教えていた。
不安になってきた桜はペットショップで
買い物を済ませたあと
どこでもいいから海に行きたいと話した。
聖は30分ほど車を走らせ
海まで桜を連れてきた。
桜は近くの自動販売機でコーヒーと
自分のココアを買って砂浜に座った。
「綺麗ですね。」
「うん。」
「寒いですね。」
「うん。」
「そのジュース美味しいですか?」
「うん。」
「明日はおやすみですね。」
「うん。」
桜は聖の異変に気が付き問いつめた。