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幸せになれる恋
第32章 幸せになれる恋
桜が動けないくらい上に乗ってきた聖は
少し寂しそうな声で話を始めた。
「俺、桜との出会い最悪だったと思う。
無理矢理電車に乗せて嫌な思いさせた…
けど桜と夫婦になれたのはすげぇ嬉しいんだ。
だからちょっと離れるだけで辛かった…」
いつもの聖の顔ではない。
何かを背負っている様は深刻な顔だった。
「桜のこと幸せにするって決めたのに
それが出来てんのか不安になるし
桜が幸せだって思ってくれてんのか
毎日毎日不安なんだ。
この先も俺は桜のために生きる。
桜の気持ち教えてくれねぇ?」
聖の話を聞いた桜は
ニッコリと笑ってこう答えた。
「私もあの時のこともう怖くないって言ったら
嘘になっちゃうかもしれない。
けどそれ以上に聖からの愛をもらって
夫婦になってあんな優しい家族を私にくれた。
聖が病気かもってなった時
どうしようもなく怖かったの。
でもそれでも私は貴方のそばにいたいと思えた。
これ以上の幸せはないって思っているから。
私は幸せだよ。
そして聖を愛してる…」
桜の答えを聞いて聖は
顔をクシャッとして笑った。
そのまま桜を抱きしめて愛し合った。