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太陽の王と月の姫
第1章 平穏な日々
クレセント王国は、国土は小さいながらも豊かな国だった。
他国が攻めてこようと負けることはなかった。それでも国土を広げるために戦争は起こすことは無く、王族たちは"我らの私欲よりも民の幸福"という教訓を常に守っていた。
ある日、国王と王妃に一人娘が生まれた。ふたりは、アメリアと名付けた。赤ん坊ながら将来が期待されていた。
その期待通りにアメリアは育ち、12歳にして、子供らしくない美しさと大人顔負けの知性を持ち合わせていた。
「お父様、来週いらっしゃるソレイユ王国とは、どのようなお話をされるの?」
「国交を良いものにするための話し合いだよ。」
「ソレイユは、油断ならないわ。今、とても勢いがある国でしょ?」
「だからこそ、協力していかなければならないんだよ。クレセントは小さな国だから、大きな国々からしたら格好の獲物だ。ソレイユの後ろ盾があるだけで、戦争はある程度防ぐことが出来るんだよ。」
「戦争が起こったとしても、この国は強いわ。」
「アメリア…その強さは、多くの国民の犠牲のうえに成り立っているということを忘れてはいけないよ。」
アメリアは無言でうなづいた。
ソレイユ王国の国王夫妻は食事会場に案内されてきた。
私たち一家は、立ってお辞儀をする。
向こうもお辞儀をした。
「こら、ルアンもお辞儀をしなさい。」
セシール王妃の影に隠れているのは、第一王子のルアンだ。私よりも随分と背が低く、幼い。
食事会では、ルアンと私が向かい合って座った。ルアンは、まだ緊張している様子だ。
「初めまして、クレセント王国第一王女、アメリア・レイリーです。」
「…ルアン・ベレスフォードです。」
食事会のあとは、子供である私たちは部屋から出ていった。
「お母様たちがいないから、敬語を使わなくてもいい?」
「うん。」
「ねぇ、いくつ?」
「12歳。」
「私と同い歳だわ!!」
「え?!同い歳?!?!」
「そんなに驚く?」
「その…僕より大人っぽいから、15歳くらいかと思ってたんだ。」
同い歳ということには驚いたが、おかげでその後も話題が尽きることはなかった。
他国が攻めてこようと負けることはなかった。それでも国土を広げるために戦争は起こすことは無く、王族たちは"我らの私欲よりも民の幸福"という教訓を常に守っていた。
ある日、国王と王妃に一人娘が生まれた。ふたりは、アメリアと名付けた。赤ん坊ながら将来が期待されていた。
その期待通りにアメリアは育ち、12歳にして、子供らしくない美しさと大人顔負けの知性を持ち合わせていた。
「お父様、来週いらっしゃるソレイユ王国とは、どのようなお話をされるの?」
「国交を良いものにするための話し合いだよ。」
「ソレイユは、油断ならないわ。今、とても勢いがある国でしょ?」
「だからこそ、協力していかなければならないんだよ。クレセントは小さな国だから、大きな国々からしたら格好の獲物だ。ソレイユの後ろ盾があるだけで、戦争はある程度防ぐことが出来るんだよ。」
「戦争が起こったとしても、この国は強いわ。」
「アメリア…その強さは、多くの国民の犠牲のうえに成り立っているということを忘れてはいけないよ。」
アメリアは無言でうなづいた。
ソレイユ王国の国王夫妻は食事会場に案内されてきた。
私たち一家は、立ってお辞儀をする。
向こうもお辞儀をした。
「こら、ルアンもお辞儀をしなさい。」
セシール王妃の影に隠れているのは、第一王子のルアンだ。私よりも随分と背が低く、幼い。
食事会では、ルアンと私が向かい合って座った。ルアンは、まだ緊張している様子だ。
「初めまして、クレセント王国第一王女、アメリア・レイリーです。」
「…ルアン・ベレスフォードです。」
食事会のあとは、子供である私たちは部屋から出ていった。
「お母様たちがいないから、敬語を使わなくてもいい?」
「うん。」
「ねぇ、いくつ?」
「12歳。」
「私と同い歳だわ!!」
「え?!同い歳?!?!」
「そんなに驚く?」
「その…僕より大人っぽいから、15歳くらいかと思ってたんだ。」
同い歳ということには驚いたが、おかげでその後も話題が尽きることはなかった。