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太陽の王と月の姫
第5章 鉄の匂い
翌朝、両軍ともに混乱していた。
なぜなら、山の方から平地にかけて濃霧が視界を遮っていたからだ。
しかし、悪魔の隊だけは違った。混乱の色は全く見えなかった。
「作戦を決行する。これで戦いは大きく動くことになるだろう。」
アメリアの敬礼に合わせて隊員たちは一斉に敬礼をする。

悪魔の隊は、感覚を研ぎ澄ますための独自の訓練に取り組んできた。これが、強さの理由の1つであり、霧の中ではこの力が思う存分活かされることであろう。






霧が消える頃、あたりは鉄の匂いだった。
その匂いは兵士たちの武器の匂いでもあるが、大量の血の匂いでもある。
ソレイユは悪魔たちによって危機的な状況となった。
戦争の終わりが見えたような気がした。
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