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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第17章 彼なりのケジメ


──四人分の泣き声が響いた。


「誰かを愛し、誰かを守り、尚且つ他人に迷惑をかけない様に自分の人生を切り開いていく、誰のせいにもせずに」

「それって当たり前なの。」


「だけど、そんな当たり前のことが出来ない人が沢山いるこのご時世で、アンタ達は生まれた環境を『ハンデ』にせず、『アテ』にもせずに走り続けてきた。」


「私は──アンタらを誇りに思うわ。本当に……私の事を大事にしてくれて、今回のこの事件、無事に解決の糸口を引いてくれて……」


「本当に、本当に……」


「ありがとうございました。」


深く頭を下げたのは、何のレッテルも無い一個人としてのソン・リサ。


程なくして、今まで泣くことなんてあんまり無かったイルトとジェジュン、そして私の事になると泣き虫になるテヒョンの鼻水を啜る音が聞こえる。


微かに、少し気の早い夕日が差し込んでいるこの病室で、何だか……凄く素敵な気分になれたのは皆には秘密にしておこう。


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