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第11章 満月～あなたのいない世界～

「殿下。お願いだ、二度と都には帰らないから、このまま見逃して欲しい。僕はこんな身体になってしまっても、自分を女だと思ったことは一度もない。誰がどう言おうとも、今更女になるのは無理だ。もし見逃してくれたら、これから後は男に戻って生きてゆくつもりだよ。だけど、男に戻ったとしても、あなたの王位を脅かすようなことは絶対にしない」




　王が不敵な笑みを浮かべた。




「そなたがそこまで愚かだとは思わなかったぞ、賢」