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第11章 満月～あなたのいない世界～

　絶句している賢に、王は嘲笑うように言った。





「その科白は何度も聞き飽きるくらい聞いた。そなたはどうも端から勘違いをしていたようだがな。よく聞け。俺は何もそなたが王位を脅かすと心配しているわけでもないし、こんな玉座が欲しいのなら、誰にでもくれてやる。正直、王位なぞ、どうでも良い。俺が王になったのは、そなたを手に入れるためだ」