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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第20章 恋情~切なくて逢いたくて~
―兄上は朕の寝所に奥方が入り込んでいると思って来たのであろうが、生憎と朕の寝床を温めてくれそうな女はいまだに見つからぬ。




 それで、すべてが誤解だったのだと漸く納得できた。帰り際に国王は彼に言った。






―兄上、黙っているだけで女に心は通じませんぞ。そこまで惚れた女なら、想いのたけを言葉にして熱く囁いてやりなされ。うかうかしておっては奥方に逃げられて、朕のように独り寝の侘びしさをかこつ羽目になりますぞ。
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