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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第23章 落城の夜
 讃が携帯していたらしい大きな布を放ってくれた。フィメリアはそれを両手で受け止め、彼に背を向けると大急ぎで身体を拭い、布を身体に巻き付けた。考えてみれば、彼の眼の前だというのに自分は一糸纏わぬ姿を晒し、立ち尽くしていたのだ。背を向けるなり、しゃがみ込むなり対処のしようはあっただろうのに。
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