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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第23章 落城の夜
考えたくもないことだけれど、彼はしっかりと私の裸を見ただろう。年頃の娘にしては日頃から貧弱だと悩んでいる、さして魅力的でもない痩せっぽちの身体を。
彼があっさりと思慮分別を取り戻したことに安心する傍ら、残念に思う自分がやはりいる。自分は何という、ふしだらで淫らな女なのだろう。両親や兄弟が尋常でない死に方をし、祖国が滅びたその日に、しかも祖国を滅ぼした敵国の男に惹かれるだなんて。それとも、あまりに哀しい出来事が続き過ぎ、自分は本当に狂ってしまったのかもしれない。
彼があっさりと思慮分別を取り戻したことに安心する傍ら、残念に思う自分がやはりいる。自分は何という、ふしだらで淫らな女なのだろう。両親や兄弟が尋常でない死に方をし、祖国が滅びたその日に、しかも祖国を滅ぼした敵国の男に惹かれるだなんて。それとも、あまりに哀しい出来事が続き過ぎ、自分は本当に狂ってしまったのかもしれない。