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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第2章 運命の悪戯
―今日は、そなたとだけ話したかったのだ。




 その短い科白に、乾は俄に緊張を漲らせた。普段は穏やかで笑みを絶やさぬ伯父の顔は白く、表情は固かった。これから自分が聞こうとしている話がけして良いものではないと悟るほどの分別はある歳になっていた。



―一体、何なのでしょう?




 伯父のただならぬ様子に、つい乾までもが低声(こごえ)になっていた。
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