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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第26章 喪失、そして愛、ふたたび
王女は首を傾げた。
「そういえば、あなたは恋人が夏陽にいると兄に言ったそうね? それは本当のこと?」
「そんな男はどこを探してもいないわ」
「でしょうね。私も兄にそう言ったのよ。あなたとは色々と話したけど、一度もそういう話は出てないって。でも、兄は信じようとはしなかった。誤解が誤解を生んで、余計にもつれた糸が絡まり合ってしまったのね」
ややあってフィメリアが言った。
「それだけではないと思うわ」