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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第27章 高麗の夜明け
「王とあなたはまだ若い。けれど、月日というのは流れる川のように呆気なく身の側を流れすぎてゆくものです。私と先王殿下もあなたたちのように若い頃があって、互いに傷つけ合ったこともあった。あの方が私にとって、どれだけ大切な人かを知りもせずに、ずっと側にいられる、いて下さると信じ込んでいたの。失って初めて気付く愛もあるけれど、それはあまりに哀しいわね。どうか、フィメリアさまは、今、愛する人の側にいられるという幸せをおろそかにしないで」