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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第5章 優しい日々
「ジュチ、僕は殆ど高麗を出たことはない。通例でいけば、僕も歴代の王子と同様に元国に連れてゆかれ、元国式の教育や礼法を学ばされるはずだったのに、亡き母上の遺言で特別に元国に行かず高麗の宮廷で育った」






 それはまさしく、特例中の特例であった。代々の高麗の王太子は幼い中に元帝国に送られ、元の宮廷で育つのが伝統となっていたからだ。それだけ高麗が元の支配下にあったということの証明でもある。
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