パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第5章 優しい日々

　だが、永国公主は亡くなる間際、苦しい息の下から遺言を残した。生まれてまもなく生母を失う哀れな幼子から父親や祖国までも奪うような真似はして欲しくないと。






　その遺言は元国の皇帝に届けられ、生まれたばかりの子を遺して逝った愛娘の悲痛な訴えを聞いた皇帝は落涙した。その願いは聞き届けられ、生まれた王子は元国に連れ去られることはなく、高麗の父王の許で養育されることを特別に許された。