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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第6章 二人だけの祝言と涙の別離
 戻ってきたジュチの腕には魚の代わりに、安物の酒と鄙の村には不似合いすぎるようにな美しい薄物の布が後生大切そうに抱えられていた。






 ジュチは隣家まで行き、魚の代わりに酒と美しい布を得てきたのである。隣家の女房は仕立屋を生業(なりわい)としている。そのため、様々な布を持っていて、中には隣町どころか都まで行かなければ手に入らないという元国渡りの珍しい絹布も持っていた。
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