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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第6章 二人だけの祝言と涙の別離
 次第に薄れてゆく意識の底で、ジュチが愛しげに髪を指で梳いてくれるのはおぼろげながらに感じたが、そのときに彼が落とした呟きはついに聞くことはなかった。



「誰にも渡さない、あなたは私だけのものだ」





 呟いたジュチの面には悲愴な覚悟が宿っていた。

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