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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第6章 二人だけの祝言と涙の別離
見上げた先、良人となったばかりのジュチは優しく微笑んでいる。賢の大好きな笑顔に、思わず胸が熱くなる。
―こんな幸せがあるとは知らなかった。ずっと秘密を抱えた身で気を張って生きてきた。いつ露見するとも知れぬ秘密に縛られて、いつしか本来の自分さえも見失っていた。男とも女とも知れぬ中途半端な我が身は一生涯、伴侶は娶っても真の意味で交わることはなく、愛することも愛されることも知らずに虚しく朽ちてゆくのだと覚悟していたのだ。
―こんな幸せがあるとは知らなかった。ずっと秘密を抱えた身で気を張って生きてきた。いつ露見するとも知れぬ秘密に縛られて、いつしか本来の自分さえも見失っていた。男とも女とも知れぬ中途半端な我が身は一生涯、伴侶は娶っても真の意味で交わることはなく、愛することも愛されることも知らずに虚しく朽ちてゆくのだと覚悟していたのだ。