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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第6章 二人だけの祝言と涙の別離
それが王族に生まれた者の宿命であり、なおかつ、他人には語れぬ身体の秘密を持つ自分の人生なのだと。この身は高麗のために捧げられるだけのものだと―。
ジュチはそんな賢の人生を根底から変えた。賢の囚われていた闇の世界に差し込んだ一条の光こそがジュチであった。彼は闇に閉ざされていた賢の世界を光で満たし、その人生には許されなかった〝誰かを愛すること〟を可能にしたのだ。
ジュチの存在そのものが、賢には光であった。