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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第6章 二人だけの祝言と涙の別離
 王が癇性に叫んだ。額に青筋を浮かべた王の背後から、漸く数騎の護衛兵らしき男たちが駆けてくるのが見える。








 まずい、と思った。王だけならまだしも、数人を相手に戦うとなると、賢を奪い返すのは相当厳しくなる。しかも、王の護衛は近衛の中でも特別に訓練され選りすぐりの精鋭ばかりだ。また、政よりも女のことしか頭にない王ではあるが、この王自身、武芸にかけてはなかなかの遣い手であることも判っていた。
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