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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第7章 対決
「返して」


 賢は涙声で呟いた。


「返してよ」



 大粒の涙が白いすべらかな頬をころがった。王はどうしてこんな酷いことをするのだろうか。恥ずかしさと情けなさで、賢は自分の存在を消せるものなら消してしまいたかった。




 彼はこの部屋に来たときから、気付いていて、知らないふりをしていたのだ。
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