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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第10章 愛縁
 春の穏やかな陽差しのような人だった。主従として過ごした関係を経て、ごく自然に恋愛関係になり、結ばれた。今でもジュチのことを思い出すだけで、懐かしさと愛おしさが込み上げ、泣いてしまう。





 この広い宮殿は自分の生まれ育った場所というだけで、最早、家ではない。叶うなら、ジュチと過ごしたあの家へ、彼が永眠(ねむ)る山の近くのあの家に帰りたい。
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