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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第3章 運命の瞬間
むしろ、後宮で見かける女官たちのように、十歳を過ぎた辺りから胸が少しずつ膨らみ始めたこの身体は男というよりは女みたいだと思うようになっていた。
父王から聞かされた秘密は、十三の賢が受け止めるにはあまりにも大きすぎた。それでも、女性化してゆくその身体の変化は本当にゆっくりとしたものだったため、賢は束の間、自分が実は男でもなく女でもない―という重大な秘密を遠く意識の片隅に追いやっておくこともできたのだ。たとえ、それが一時的な逃避にすきないとしても。
父王から聞かされた秘密は、十三の賢が受け止めるにはあまりにも大きすぎた。それでも、女性化してゆくその身体の変化は本当にゆっくりとしたものだったため、賢は束の間、自分が実は男でもなく女でもない―という重大な秘密を遠く意識の片隅に追いやっておくこともできたのだ。たとえ、それが一時的な逃避にすきないとしても。