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さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
「遅いっ…!」
社長室で一人叫んだ光瑠は足を下ろすと、再び不機嫌そうに頬杖をついた。
何故一番偉い社長であるこの俺が待たされるっ…
過ぎた時間は実に30秒。
そう。彼は、とんでもなく短気なのだ。
はぁっ、と大袈裟にため息をついた光瑠は少し目線を下に落とす。
そして、頬杖を付いた方の左手に光るものを見つめた。
最愛の女性と結婚して2週間。
それが、夢ではないことを、その薬指の指輪が証明している。
不機嫌だった光瑠の口元が微かに緩む。
やっと、正真正銘自分のものになった……
その安堵と幸せが光瑠を包み込む。