この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
あまりに早い光瑠の決断に、要と酒田が目を見開く。
「改装期間中の売り上げなど気にしていたら、5年後や10年後に生き残ることは出来なくなる」
真似出来ない。
彼はいつも短気に威張り散らしているだけではない。
「ここはリニューアルするべきだ」
その行動力と決断力で、光瑠の右に出るものを、要は知らない。
「そうですね。僕も同意見です」
そう言いながら、要も同じように店舗内を見回す。
そして去年の春、新作の売れ行きを視察しに訪問した時のことを思い出していた。
確かあの日は、
たまたま真希さんが高校に復帰した日だった。
チョコ好きの真希さんのことを想って
メニューの考案にも携わったガトーショコラの桜のソースがけ…
そうだ…
あの日、
確か、真希さんはドリンクバーのところで──
「わぁぁっ…いれすぎちゃった…っ」