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さらに近くてもっと甘い
第10章 一番近くに


小さな柔らかい手。


もどかしい手つきで突然そこをさすられて、浩平はピクッと体を震わせた。


「っ…ちょっ…今触んないでっ…」


「で、でもっ…あっ…」


余裕が無くなった浩平は慌てて、愛花のナカから指を抜く。


そして、はぁっ…と息を吐いて愛花のことをきつく抱きしめた。



「俺のことはいいからっ……」


「…よ、よくないよっ……」


「俺は…愛花が感じてると感じるから……っ」


熱くなった2つの体。

もどかしい2人の会話が部屋に満ちる。



少し体を離した浩平は、愛花を見下ろしてゆっくりと唇を塞ぐ。


冗談ではなく、こうしてるだけでもすごく幸せだ──


思いが込み上げて、体の中がしっちゃかめっちゃかになって……



「私も…だよ……っ」


「────っ……」


「浩平くんが…気持ち良さそうだと…すごく嬉しいっ……」


「……気持ちいいよ…」



そうやって言ってくれるのが、正直1番くる───



緩く笑った浩平は、愛花の頬に手を添える。


同じように笑った愛花は、再び浩平の腕を掴んだ。




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