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さらに近くてもっと甘い
第11章 社内恋愛
プルプルと、震える腕。
壊れた眼鏡は未だ買えず仕舞い。
そのせいで昔使っていた眼鏡を掛けているのだが度が合っていないせいで良く周りが見えない。
フラフラとしながら幸太郎は、ぐっ……と歯を食いしばって、上司に渡された資料を落とさないように踏ん張っていた。
「あー! 原澤くん!ちょっとこっちの方を───」
「だああぁぁぁっ!!!」
突然上司に肩を叩かれて限界を迎えた幸太郎は、大声で叫びながら資料をぶちまける。
最悪だ………
しかもこれ、日付の並びを絶対変えるなって言われてっ……
散り散りになった紙たち。
その前でズーンと項垂れる。
「げ…ごめん……」
謝った上司はそのまま資料を拾うのを手伝おうと手を伸ばすが、また別の人に呼ばれたせいで、そそくさとそこから去っていってしまった。