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放課後の狩猟者
第3章 # 亜湖&梨湖 [高1]
「ええか?お前らのやらかした事は、歴とした犯罪や。本来なら、学校と両親にも報告し、警察で調書を取る。場合によっちゃ、学校は退学処分、そしてブタ箱行きや。ま、君らはまだ未成年やから、少年院送りやな」

「ふぇぇ〰っ、亜湖ぉ〰、どうしようぉ〰っ…!」

 亜湖の胸に埋まって泣く梨湖の背中を、亜湖が撫でている。

「けどな?俺も今日は非番やねん。仕事する気になれへん。って事で一つ提案があんねんけどな?今日の事は公にせん代わりに、俺の言うことを聞いてもらうって言うんはどうや?学校にも両親にも内密にしといたる」

 俺は、スマホの動画を再生し、後部席に向けた。


「何?それって脅迫?!」

 亜湖は語尾を強くする。

「脅迫?オイオイ、そんな怖いことする訳ないやろ?そんなんしたら、俺も犯罪者や。脅迫やあらへん。取り引きや。お互いにメリットのない取り引きは、成り立てへんやろ?」

「…分かったわ。…で?お巡りさんのメリットって…何ですか?」

 よっしゃ。

「ん?俺のメリットか?…今な?…俺のムスコ、元気がないねん…。そやから…君らが…慰めてやって欲しいねん…」

「…息子…さん?…慰める?…病気なの?…私達にできること?…」

 二人が心配そうに、顔を上げたのがミラーに映る。

「…逆に、君らにしか出来へんことや…」

「…何をすればいいの?…」

 亜湖が言うと、梨湖も身体を起こして俺の方を見た。

「そやなぁ…まずは…これや」

 俺は前を見据えたまま、両手に握っていた二本のスプレーの吹き出し口を、後部席の方に向けた…。



 プシューーーーーーッ



 …しっかり慰めてや?…その身体で…。
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