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放課後の狩猟者
第3章 # 亜湖&梨湖 [高1]
「何で梨湖が『え?』って言うの?」「何で亜湖が『え?』って言うの?」

 またシンクロ。

「アッハッハ!君らほんま、オモロイなぁ。さぁて、何ででしょう?…。今のでもう、気ぃついてんのんちゃう?分かってんやろ?彼氏、君らを二又してるって」

「そんな!うそっ!」

「何で?どう言うこと?意味分かんないっ!」

「そこ、シンクロせぇへんのかいっ!」

「………」「………」

 へぇ~、こう言う時も、えくぼができるんや…。

 唇をキュッと結んで、怒った表情も可愛い。

「…梨湖っ?…私の彼、盗んだのっ?!」

「何それっ!酷っ!亜湖の方そこ私の彼を取ったんじゃん!」

「何言ってんの!絶対梨湖が取ったんだよ!」

「彼は梨湖が好きって言ったもん!彼から告ってきたしっ!」

「私だって、彼から告られたのにっ!」

「……」「……」


「酷い…」「酷い…」 

 
 オモロイ…
 もっと見たい…

「二人とも、もしかして彼氏に『付き合ってること誰にも言うな』って口止めされてたんちゃう?『言ったら別れる』って」

「?!………」「?!………」

 何で?って顔が俺を睨む。

 同じリアクションをしたお互いの顔をちらりと見て、複雑な表情で頷いた。

「彼氏、二又やなんてゲスな男やなぁ、ほんま。やめとき、やめとき。そんなしょうもない男」

「どうして?何でお巡りさんが准一君を知ってるの?彼に何を聞いたの?何で私達のことをそんなに調べてるの?」

 亜湖が必死の形相で、俺の腕を強く掴み、次々に詰問する。

「まぁまぁ、落ち着けって。警察の取り調べでも、そんな立て続けに訊問せぇへんで?ハハッ…。言うたやろ?君らのことが心配やって」

「やっぱストーカーじゃん!」

 梨湖の怒った目、可愛い。

「…ま、なんと言われようと、かまへんけど?
 君らのゲス彼氏な?随分悩んでたで?」

「悩んでる?…ぅっ…何を悩んでるって言うのよ!…ぅぅっ…こんな酷いこと…しておいてっ!…」

 威勢のいい亜湖も、さすがに声を震わせる。

「ほんまはな?彼氏、亜湖か梨湖のどっちか一人を選んで、ちゃんと付き合いたいって。でもな?…」

「…でも?」「…でも?」
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