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サイドストーリー8
第4章 カウントダウン
お正月の三が日はそれぞれ親戚の家に行くから会えなくて。
4日になって蒼くんから
「遊びに行こうぜ」とメールが来た。
待ち合わせて行った場所は、カウントを数えている時に初めて行ったデートの場所で
海の近くの水族館だった。
クラゲが有名なその水族館で、あの時と同じように私たちは大きな水槽の前で
手をつないで動かなかった。
硝子1枚を隔ててある向こうの水中の景色は幻想的で
吸い込まれちゃうような感覚がずっと私を包み込む。
現実に立っている証拠は蒼くんとつないでいるこの手だけだった。
ぎゅっと握りしめると蒼くんもギュッと握り返してくれた。
その後、ゆっくりと江の島に渡って。
日の入りが早い冬は5時半には真っ暗だった。
江の島へ渡る橋を歩いていると、両方からザパンザパンと波の音が絶え間なく聞こえてくる。
真っ暗な景色の中で波の音だけが規則正しく響いている。
何の光にも照らされていない夜の海は、真っ暗で引き込まれるように怖かった。
ギュッと握った蒼くんの手をもう一度握り直す。
「海、怖いよな」
蒼くんがぽつりと言う。
「・・・うん」
蒼くんも怖い?
「吸い込まれたら帰ってこれないもんな」
真冬の冷たい海風に縮こまって肩を寄せ合って
手を離さないようにギュッと握る。
「離れるなよ」
安全な橋の上のはずなのに私たちはお互いを離さないように手を握る。
4日になって蒼くんから
「遊びに行こうぜ」とメールが来た。
待ち合わせて行った場所は、カウントを数えている時に初めて行ったデートの場所で
海の近くの水族館だった。
クラゲが有名なその水族館で、あの時と同じように私たちは大きな水槽の前で
手をつないで動かなかった。
硝子1枚を隔ててある向こうの水中の景色は幻想的で
吸い込まれちゃうような感覚がずっと私を包み込む。
現実に立っている証拠は蒼くんとつないでいるこの手だけだった。
ぎゅっと握りしめると蒼くんもギュッと握り返してくれた。
その後、ゆっくりと江の島に渡って。
日の入りが早い冬は5時半には真っ暗だった。
江の島へ渡る橋を歩いていると、両方からザパンザパンと波の音が絶え間なく聞こえてくる。
真っ暗な景色の中で波の音だけが規則正しく響いている。
何の光にも照らされていない夜の海は、真っ暗で引き込まれるように怖かった。
ギュッと握った蒼くんの手をもう一度握り直す。
「海、怖いよな」
蒼くんがぽつりと言う。
「・・・うん」
蒼くんも怖い?
「吸い込まれたら帰ってこれないもんな」
真冬の冷たい海風に縮こまって肩を寄せ合って
手を離さないようにギュッと握る。
「離れるなよ」
安全な橋の上のはずなのに私たちはお互いを離さないように手を握る。