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サイドストーリー8
第5章 セカンドラブ
「少し飲むか?」

と出されたワイングラスはペアのもので。
私が使っていいのか一瞬迷った。

このグラスは、ラブラブな主任と私を知ってる。

私はこの人と一体どんな5年間を過ごしてきたのか。

私の適量を知っているかのように
グラスに半分だけ注いだ赤ワインは
私の好きな味だった。

「主任・・・」
「ん?」

食器棚の、出しやすい場所にしまわれていたペアのワイングラスは
飾りではなくていつも二人がそれで飲んでいた証拠の様で
私たちは記憶をなくす前に、どれだけ仲が良かったのか。

「あの、私たちどんなふうに付き合いだしたんですか?」
「え?」
「聞けば少しでも思い出せるかな、と思って」
「それは・・・」
「・・・・」

「それは秘密だ」
「え・・・」

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