この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
サイドストーリー8
第8章 横浜発 7:54
春、真っただ中の日曜日。
お弁当を持って、レジャーシートを持って山下公園にやってきた。
いつもより早い満開の桜は、それは見事で
散り始めた花弁がゆらゆらと海の水面に吸い込まれて落ちて行った。
山下公園の広い芝生にシートを敷いて
お弁当を食べ終わった後、矢野さんがごろりとなって
「良い季節だな」
と言った後
「うわ。やなもん見ちゃった」
と目をつぶった。
イヤなもの?
周りを見るけど、そんなものは見当がつかなくて
きょろきょろしている私に
「会社が見えた」
なんて苦笑いした。
山下公園の左手には、桜木町のみなとみらいが一望出来て
その中の高層ビル群の中に、矢野さんの勤める会社がある。
「さくら。おいで」
寝ながら両手を広げて私に、おいでをする。
「ココで2人で寝るの?」
「誰も見てないよ。会社を見ちゃった俺を慰めて」
会社を見ちゃったって・・・
だったらココに来なきゃいいのに。
お弁当を持って、レジャーシートを持って山下公園にやってきた。
いつもより早い満開の桜は、それは見事で
散り始めた花弁がゆらゆらと海の水面に吸い込まれて落ちて行った。
山下公園の広い芝生にシートを敷いて
お弁当を食べ終わった後、矢野さんがごろりとなって
「良い季節だな」
と言った後
「うわ。やなもん見ちゃった」
と目をつぶった。
イヤなもの?
周りを見るけど、そんなものは見当がつかなくて
きょろきょろしている私に
「会社が見えた」
なんて苦笑いした。
山下公園の左手には、桜木町のみなとみらいが一望出来て
その中の高層ビル群の中に、矢野さんの勤める会社がある。
「さくら。おいで」
寝ながら両手を広げて私に、おいでをする。
「ココで2人で寝るの?」
「誰も見てないよ。会社を見ちゃった俺を慰めて」
会社を見ちゃったって・・・
だったらココに来なきゃいいのに。