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サイドストーリー8
第8章 横浜発 7:54
そっと矢野さんの隣にごろんとなれば
腕枕をしてくれて、私の頭を抱え込む。

横を向いて、矢野さんの身体にすりよれば
矢野さんは私の左手をとって自分のお腹に乗せた。

「すげー幸せ」

爽やかな春風と桜と
海の匂いと右隣にいる好きな人。

「私も幸せ」

そう言って矢野さんの腹筋を撫でた。

そんな私に笑って
私の手を握って指先のピンク色の爪を見る。
「どこもかしこも桜色だな」
なんて笑いながら指先にキスをした。

矢野さんはジーンズのポケットに手を入れて
ポケットの奥の方から何かをとりだした。
「もう1つ。桜色のモノを身に着けてほしいんだけど」
そう言いながら、私の左手の薬指に、指輪をはめた。


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