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サイドストーリー8
第14章 好きと言って
時間どおりに店のシャッターをガラガラと下ろしていると
店の前にある自販機から「ガラン」と缶が落ちる音がした。

「毎度」

そう言いながら自販機の方を見ると麻子で
ビックリしている俺をよそに、もう1本ビールを買った。

「何?海外行ったんじゃないの?」
「里帰りよ」
「ふ~ん」
「仕事終わったんでしょう?奢るわよ」

そう言って、今自販機で買った缶ビールを1本よこした。

「・・・・サンキュ」

店の横路地にあった形の違う椅子を2脚持ってきてエプロンを外して軽くふいて麻子に渡した。
麻子は小さく笑ってそれに座る。
俺ももう1つに腰かけて、ビールのプルタブをプシュッと開けた。

先に栓を開けて待っていた麻子と缶を合わせて乾杯した。
まさか麻子と2人で飲む日が来ようとは思わなかった。

「レンはまだ結婚しないの?」
「もう少し、な」
「ふ~ん」
「麻子は?上手く行ってんの?」
「愛されてる」
「あっそ」

「そして、私も愛してる・・・」
「・・・それはよかったな」
「・・・うん」


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