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サイドストーリー8
第17章 田園シンデレラ
綺麗にはしているが、飾っていない響子の手を見る。
「変?」
「変じゃないよ。綺麗だよ」
畑で働く手だ。

「俺と一緒に働く手だ」
「うん」
「帰るか」

帰ったらすぐにフロに入ろう。
綺麗に土を落として好きなオンナを抱きしめよう。

「綺麗だよ」
「えー。やだ照れるじゃん」
「愛してるよ。シンデレラ」

そう言ってそっとキスをする。
灰をかぶっても、土がついても
誰よりもきれいだよ。

「豪も」
「ん?」
「豪も誰よりもカッコいい」
「そうか」
「うん。結婚式に来ていた新郎の友人の誰よりもカッコいい」
「土まみれの手でも?」
俺は嬉しくなってニヤッと笑った。

「この手がカッコいい。
この手であの野菜が生み出されてるなんて凄いよ。
横浜でひょろっとした男性を見て
豪に会いたくなっちゃったから帰って来ちゃった」
「ふ~ん」
「豪は?豪も寂しかった?」
「あ?」
「だから!私がいなくて寂しかった?」
「寂しくねーよ」
「え~」

「恋しかっただけ」

そう言ってそっと響子にキスをした。



END****


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