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サイドストーリー8
第27章 君が泣かないためならば
好きな人がいる。

入社以来ずっとずっと好きな人だ。
手の届かないところで笑っていた。
幸せそうに笑って、幸せそうに綺麗になって行った。

友達としてそばにいられればいい。
せめてもの願いとして、友達としてでもそばに居たい。

そう思って来た。

その人の幸せだけを願って
その人の笑顔だけが見たかった。

その人を幸せにするのが俺じゃなくても
その人を笑顔にするのが俺じゃなくても
そばにいられるだけで十分だと思った。

男と別れて
心からの笑顔が見られなくなって
俺は何も助ける事が出来なかった。

そばに居ても、その人を幸せそうに笑わせる事は出来ない。
自分で自分のふがいなさに、泣けてきた。

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