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【R-34】
第3章 誠実な夫
食事も終わり、ソファーでテレビをぼんやりと見ながら圭吾はくつろいでいた。隣に浅く彼女が腰を落とす。


今日の彼女はいつになく頬が上気し色気がある。

風呂上がりの彼女の少し湿った長い髪の毛先に指を絡ませた。


テレビを見ていた彼女も、それに気が付いた。


「……圭吾さん……あの……お話ししたいことが……」

「何?随分とあらたまって」


笑い掛ける圭吾とは逆に、真奈の表情は幾分緊張が見られた。


「実は、お願いがあって……」

頬を染めながら彼女が言う。


彼女からのお願いだなんて珍しい。

いつも求めるのは圭吾からだった。



だから、圭吾は頬を緩ませて聞く。彼女も今夜、欲しいのだろうか。


「何?」

「……あの……」



そう言ったきり、押し黙る。
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