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快楽の果てにあるもの
第10章 束の間の時は

「・・・。」

沈黙が続く、何から説明したらいいか戸惑う。
旦那の表情から怒りを抑えてるのが分かった。
正直、怖かった。
殴られるのも覚悟をしてた。
だけど、私の頭の中ではまだ彼との事を誤魔化したい、その思いでいっぱいだった。

『どうした、言えないのか…。誰なんだ、店の客か。』

私は覚悟を決めた。

「そう、店に何度か来た事のあるお客様。
今度ねランチしようって、約束してたの。ただそれだけ。」

誤魔化せた!一瞬、何とか話を作れたと思った。

『ふーん。そんな感じにはみれないけどな…。』

ドキッ。旦那の目が鋭かった。
動揺しちゃいけない、冷静にならなきゃ。
バレちゃいけない、彼との事。
バレたら終わっちゃう、イヤ、それだけは嫌。
彼に会えなくなるのは耐えられない。
必死だった。
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