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快楽の果てにあるもの
第10章 束の間の時は
『……。そうか、……。ま、わかったよ。別に俺はどちらでもいいけど。
 お前が浮気してようが、好きな人ができようが。』

「え、何それ。それって私に興味がないってこと?」

『バカ、そうじゃないよ、ただ。』

「ただ何よ。何か隠してるの?」

 ……………。
沈黙が続いた。
何を隠してるの? まさか? 旦那も? 誰かと?
もしそうならば好都合。
お互い様ってことで穏便に済ませることもできる。
彼にも迷惑がかからない。
そうよ、それなら丸く収まる。問題ないわ。
もし、旦那の相手が私の知り合いでもそれは許そう。
彼の、いや、彼と私の立場と関係が壊れなければそれでいい。

数秒の沈黙の間に色々な妄想と対策が頭をめぐる。

『実は俺、お前が俺以外の男に抱かれる事を妄想するのが趣味と言うか。』

「え?何?それって……。」
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