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愛しい記憶
第9章 初恋(回顧)
「ダメだってこと…」
「っ……──」
「俺が知らないとでも思ってんの…?」
ずっと抱えてきたこの気持ち。
イケナイことだと分かっていたから、だからそれを否定して今の今まで俺一人だけの秘密にしてきた。
でも…
もうそれも今日で終わる。
「姉ちゃん…」
物心ついたときから、俺は…
「好きだ…───」
「っ……」
自分ではどうする事も出来ないこの気持ち。
切なげな表情を見せた姉ちゃんは、俺の言葉に答えることなく、そのまま自分の部屋へと走っていってしまった。