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愛しい記憶
第7章 欲求



一時間前に出た家に再び戻ってきた俺は、荒れる息を必死で整えてベッドに身を横たえた。



落ち着こうとすればするほど、焦ってしまってどうしたらよいのかまるで分からない。





「はぁっ……」



ただ、このままではいけないという危機感だけがどこからともなく、わき上がってくる。




そんなことばかりだ…



理由や理屈、文脈が排除されて、気持ちだけの記憶が身体にまとわりついて離れない。




上体を起こした俺は、また開いてすらない段ボールに目をやった。





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