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臆病なシンデレラ~アラサー女子。私の彼氏は17歳~
第2章 涙の理由(わけ)
見慣れたコーポラスを、早苗は涙に濡れた眼で見上げた。築三十五年の鉄筋コンクリートは五つほど部屋が並んでいる。早苗は左から三番目のドアの前に立った。〝一〇三〟と古ぼけた鉄扉に書かれた数字はもう殆ど消えかかっていた。
一応、ブザーがあるにはあるが、壊れてしまって用をなさない代物だ。早苗はドアを開けると、転がり込むというよりは倒れ込むといった感じで狭い三和土にくずおれた。
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