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臆病なシンデレラ~アラサー女子。私の彼氏は17歳~
第1章 愁いの日々

すべての仕事を終えて本社屋を出たのは、もう辺りがすっかり宵闇の底に沈んだ時刻だった。季節はそろそろ晩秋を迎える。十月末の午後七時過ぎ、空気はかなり冷たい。まだ寒いというほどではないけれど、薄物のブラウス一枚きりでは過ごせないほどだ。
十五階の高層ビルは関西の田舎町では、そこそこ目立つ。近代建築の粋を集めて建てられたビルは昼間は陽光を受けて銀色に光っている。今はすっかり夜の底に沈み込んで、闇色に溶け込んだビルを改めて振り返る。
十五階の高層ビルは関西の田舎町では、そこそこ目立つ。近代建築の粋を集めて建てられたビルは昼間は陽光を受けて銀色に光っている。今はすっかり夜の底に沈み込んで、闇色に溶け込んだビルを改めて振り返る。

