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この前、人を拾いました
第17章 ②―6 この人が…ですか?
「東大ぃぃぃぃい??!!?」
雨がかすかに降る深夜、
私の驚きの声がこだました。
「え…みきさんそれも聞いてないんですか…」
信じられないと言った顔で私をみる若村さん。
放心……だ。
だ、だ、だって…
さっきまで大学なんか行ってないんだろうなとか思ってた(何度もいうけど勝手に)くらいなのに…っ。
知らなかった………
私が拾った人、
どうやら色んな意味でやばいみたい……
まだまだ色んなことが知りたい。
きっと、まだたくさん私の知らないこと、若村さんは知ってる…!
そう思って色々と質問しようした矢先、
「餓死だぁぁぁあああ」
とまたレイが叫んだかと思うと、
若村さんに持たせていたのであろう自分の荷物を奪い取り、勢いよく私の腕を掴んだ。
「え?あ、ちょっと!」
ぐいぐいと引っ張られる私の目には安らかな笑顔を向けながら手を降る若村さんがうつった。
「ま、待って……」
まだ私たくさん聞きたいことが……。
でもそんな私の願いは叶うことなく
お気を付けてーという若村さんの声だけが虚しく響いた。